買っていはいけないミシン!初心者が買うなら知っておきたいこと。
あなたが、ミシンを買おうと思っているきっかけはなんですか?
- 子どもの入園・入学グッツ作りに必要
- 今まで、手縫いで頑張って来たけど、さすがに、しんどくなってきた
- マスクを作るのにミシンがあったら便利
などなど…。
きっかけは、人ぞれぞれだと思いますが、「ミシンを買おうかな」って思うタイミングって、人生の中で、ときどきありますよね。
ところが、ミシンを買うのが初めてだと、当たり前ですが、何を基準に、どう選んでいいかさっぱりわかりません。
そこで、ここでは、まずは、家庭用ミシンの市場の全体像をまとめてみました。
一般的に、買ってはいけないミシンとして、よく挙げられているのが、値段で言うと、1万円前後から、それ以下のミシンです。
この価格帯は、基本的には、トイ系(おもちゃ系)ミシンの価格帯です。
ミシンは初めてだし、安いのでいいかな。
(とは言え、内心、幼稚園グッズくらいは縫えるでしょ…と思ってる)
こんな風に考えて、この価格帯のミシンを買ってしまうと、失敗する確率が高くなっています。
と言うのも、トイ系(おもちゃ系)ミシンは、本体が軽く不安定で、かえって、初心者には取り扱いが難しいからです。
このようなパターンをはじめ、ミシンを買ってはみたものの失敗だった…っていう「よくあるパターン」は、以下にまとめてあるので、気になる方は、チェックしてみて下さい。
逆に、「ミシンを買ってよかったこと」を知りたい方は、以下のページにまとめてあるので、こちらをご参照下さい。
また、初心者向けのミシンの選び方を知りたい方は、以下へどうぞ。
まずは、ネットのミシン人気ランキングから、今は、どんな機種が人気なのか見ておきたい方は、
2024年11月14日のランキングと、各ランキングの特徴を、以下のページにまとめてあるので、ことらをどうぞ。
買ってはいけなミシンだった!よくあるパターン
「よし!裁縫を始めるぞー」と思って、ミシンを買ってはみたものの、結局は、「買って失敗した」になる時のよくあるパターンを紹介します。
ミシン購入前に、よくある失敗パターンを知っておけば、あとで後悔する確率がグンと下がります。
1万円以下の安いミシンを買って失敗
最近は、1万円以下の安いミシンもたくさん出ていますよね。
デザインがかわいい小型ミシンや、シンプル機能のコンパクトミシンなら、3,000円台からあるし、ホチキスの親玉みたいなハンディミシンなら、2,000円台からあります。
なので…
初心者だし、ちょっと縫うだけだから、安いミシンでもいいか
そんな風に思って、この手の激安ミシンを買ってしまう方もいますが、結果的に「安物買いの銭失い」になってしまうことが多いようです。
基本的に、1万以下のミシンは、モーターを電子制御したりしない電動ミシンです。
そのため、針の停止位置が一定ではなく、縫うスピードも、すごく遅くしたりは出来ないので、あまり初心者向きではありません。
実際問題、初心者が安いミシンを買って、調節なしで縫い始めると、糸が切れたり、絡んだり、下糸がぐちゃぐちゃになったり…
しまいには、布がボロボロになって、すっかりミシンが嫌いになってしまった…なんてことまであります。
もともと「おもちゃレベルのミシン」とわかってて、割り切って買うならいいですが、少なからず、何かをちゃんと縫おう、と思っているなら、あまりおすすめ出来ない価格帯です。
糸調子が合わせられなくて失敗
ミシンには、糸を針穴に通す上糸と、糸をボビンに巻く下糸がありますよね。
縫製する時には、布に合わせて、上糸と下糸のテンション(引っ張り具合)のバランス良くしてやらないと綺麗に縫えません。
このテンションのバランスは、一度調整すれば、それで終わり…というものではなく、実は、縫う生地よって、微妙に変わって来ます。
なので、生地ごとに、上糸と下糸のテンションのバランスを合わせる必要があり、このことを「糸調子を合わせる」と言います。
ところが、ミシンが初めてだと、これが、なかなか難しいんですよね。
下手すると、縫う時間より、糸調子を合わせる時間の方が長くなって、イライラしてストレスがたまり、しまいには、ミシンを使わなくなってしまいます。
このイライラを軽減するため、ある程度、自動で、上糸と下糸のバランスを調整してくれる自動糸調子機能付きのミシンというのもあります。
経験者なら別ですが、初めてのミシンで、ミシン糸の調整経験も、あまりないようなら、糸調子機能がどうなっているかは、要チェック項目です。
厚手のものが縫えなくてがっかり
子どもの入園グッズを作って、ついでに、パンツの裾上げなども出来たら…
そんな風に思って、ミシンを購入したものの「厚物縫いは出来なかった」っていうパターンも、けっこうあります。
軽くて小さい方がいいかな、と思って、パワーのないコンパクトミシンを選んでしまった場合などに、よく起こります。
柔道着や作業着を縫ったり、デニムの裾上げも重視するなら、ミシンの取り扱いがある手芸店や、ミシン販売の専門店に聞いたり、ネットで買うなら、買おうとしている機種の口コミなどを、よく調べてから買うのがおすすめです。
基本的には、厚い生地でも、どんどん縫える高パワーのミシンほど、値段も高くなるので、予算と相談して、あらかじめ妥協ポイントを見つけておくと、あとで、がっかりすることが少なくなります。
【初心者向け】あなたに合うミシンの選び方
買ってはいけないミシンのよくあるパターンがわかったところで、今度は、具体的に、あなたに合うミシンを選んでいきましょう。
このサイトでは…
…っていう手順をおすすめしています。
初心者向けのミシンの機種をざっくり把握
では、まずは、各メーカーから発売されている初心者向けミシンには、どんな機種があるのか見ていきましょう。
とは言え、市場に出ている家庭用ミシンの全機種では、膨大な量になるので、あらかじめ各メーカーから、人気のミシンをピックアップして、一覧図にまとめておきました。
どの機種が人気なのかは、楽天市場や価格コムの人気ランキングを参考にしています。(2020年3月)
※画像はクリックすると大きくなります。
一覧は、縦軸がミシンの重さで、横軸が価格になっています。
おおまかには、小さくて軽いミシンほど、値段も安く、大きくて重いミシンほど、値段も高い、っていう傾向になっています。
初心者向けミシンの種類について
色やデザイン重視なので、ミシンの種類は、あんまり気にしない、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが…
一応、ミシンには、どんな種類があるのか、ざっと把握しておきたい
…という方もおられると思うので、ここで、まとめておきました。
大まかにでも、ミシンの種類を知っておきたい方は、参考にして下さい。
まず、世に出ているミシンを、大きく分けると、以下の3つの種類に分かれます。
工業用ミシン
アパレル工場やニット工場で使うようなミシン。
職業用ミシン
自宅で縫製の仕事をしている人や、洋服を売ってるショップが使うようなミシン。
家庭用ミシン
普通の家庭で使うミシン。シンプルに縫うだけのミシンから、コンピュータ制御で、いろいろな模様が縫えるタイプのものまであります。
工業用と職業用は、基本的にはプロ向けなので、初心者の方の1台目なら、まずは、家庭用ミシンから選んでいくことになります。
さらに…
電動ミシン
ミシンの針の上下運動を、足で踏んで、カタカタ、カタカタと動かすのが、昔ながらの足踏みミシンです。
この足で踏んでいた動力を、モーターに変えたのが電動ミシン。
制御基板がないため、基盤系の故障はありませんが、制御しない分、針が止まる位置は一定ではありません。
ミシンのスタートとストップは、手元スイッチか、足踏みスイッチで行い、中には、縫う速さを調節できる機種もあります。
価格は、おもちゃレベルの3千円台のミシンから、高いものだと、3万円近くするミシンもあります。
高い電動ミシンでは、デニムの6枚重ねや、革の2枚重ねなど、厚物縫いができるタイプもありますが、糸調子を自分で合わせなければならないため、あまり初心者向きではありません。
電子ミシン
電動ミシンに、電子基板を組み込み、ミシンのスピードや、針が止まる位置を制御できるようにしたのが電子ミシンです。
針が止まる位置を制御できるので、ミシンをストップすると、通常、針は上で止まります。
さらには、電子制御の仕組みを活かして、中には、針を上で止めるか、下で止めるかを選択できる電子ミシンもあります。
雑巾の角など、途中で縫う角度を変えたい時や、何回もミシンを止めながら、カーブを縫っていく時などは、針が下で止まる方が便利です。
価格は、13,000円ぐらいから、高い機種だと、30,000円を超えるものまでありますが、電子ミシンの主流は、1万円台の価格帯が多くなっています。
電子ミシンの値段は、次に説明するコンピュータミシンより全体的に安めです。
コンピュータミシンだと、どうしても、液晶画面での設定になってしまうため、液晶操作が苦手な人は、電子ミシンから選ぶのもおすすめです。
電子ミシンでも、2万円〜くらいの機種からは、自動糸調子が付いてくるものもあります。
コンピュータミシン
電子ミシンを、さらに高機能にして、使いやすくしたのが、コンピュータミシンです。
コンピュータミシンは、糸調子を合わせるのが楽なので、予算が合って、操作面で不安がなければ、初心者にもっともおすすめです。
値段は、安い機種だと、18,000円くらいからあり、主流は、3万円〜6万円くらいの価格帯。
2万円を超える機種であれば、ほとんどが、自動糸調子機能付きです。
2万円以下のコンピュータミシンだと、自動糸調子が付いてこない機種もありますが、その場合は、少し精度は劣るものの「普通の布なら、ここに合わせておけば大丈夫」という標準糸調子が付いてきます。
コンピュータ制御なので、ボタンひとつで、いろいろな模様を縫うことができ、値段が高くなるにつれて、縫える模様の種類も増えていきます。
中には、入園グッズに名前を入れる時に使える「文字縫い」ができる機種や、多彩な刺繍ができる機種もあります。
初心者向けミシンのサイズについて
家庭用ミシンのサイズは、おおまかには、軽くて小さめのコンパクトサイズと、重くて大きめのフルサイズに分けられます。
初心者向けなら、軽くて小さいミシンの方がいいようにも思いますが、軽い分、縫う時に不安定になるので、一概にそうとも言えません。
以下に、コンパクトミシン、フルサイズミシンの特徴をまとめました。
コンパクトミシン
コンパクトミシンは、価格が1万〜2万円、重さで言うと、5kgぐらいまでのサイズが小さめのミシンになります。
5キロ〜6キロくらいのミシンを、ミドルクラスのミシン、または、レギュラーサイズのミシン、と言うこともあります。
コンパクトミシンは、軽いので、出し入れも楽チンです。
頻繁には使わないけれど、必要な時だけ出して来て、小物を、ちょこっとだけ縫う
というような使い方に向いています。
ただし、軽いがゆえに、縫う時には、本体が振動するので、初心者には、ちょっと慣れが必要になるかもしれません。
さらに、振動するということは、音も大きくなりがちで、縫い目もブレやすいので、予算との関係で、その辺りが、考えるポイントになります。
フルサイズミシン
フルサイズのミシンは、値段で言うと3万円後半〜、重さで言うと7kg〜ぐらいのサイズが大きめのミシンたちです。
重いので、持ち運びは大変ですが、その分、縫う時に、ガタガタしないので、初心者でも縫いやすいミシンです。
金属の部品を多く使っているので、耐久性もあり、ミシンを使う頻度が多かったり、末永く使っていくつもりなら、こちらの方がおすすめです。
ソーイングスペースが広めなので、小物は、らくらく縫えるし、洋服やバッグなど、大きなものを縫うことも出来ます。
私のミシンもジャノメのフルサイズミシンです
私が初めて買った家庭用ミシンも、ジャノメのフルサイズミシンです。
「JP510N」というジャノメのロングセラー商品で、値段は、フットコントローラー付きで43,000円くらいでした。(約8年前)
JP510Nは、現在は「JP710N」という型番に引き継がれています。
ミシンで作りたいものをはっきさせる
ミシンの種類が、だいたいわかったところで、今度は、ミシンでやりたいことや、作りたいものについて考えてみましょう。
ミシンの機種選びに関わってくるのは…
大きな物を縫う予定があるか、厚いものを縫う予定があるか
…です。
大物を縫うなら、コンパクトミシンではやりにくいですし、厚物縫いなら、パワーのないミシンでは、止まってしまうかもしれないですからね。
なので、そのあたりを、頭の片隅におきながら、あなたが、ミシンでやりたいこと、作りたいものをはっきりさせておきましょう。
以下に、ミシンを始めるきっかけで、よくあるものをまとめてみました。
入園グッツを手作りしたい
ミシンは、家庭科の授業以来やったことがないのだけど、子供の入園グッツを作るのに、ミシンを始めてみようかな…という方も多いですよね。
幼稚園や保育園の入園グッツなら、通園バッグや、手提げバッグは、園指定のものが多いので、ミシンで手作りするなら…
- 上履き袋
- コップ袋
- 着替え袋
- 体操服袋
- パジャマ袋
あたりでしょうか。
あるいは、入園グッズから始めて、ゆくゆくは、ポーチやバッグなどの小物や、子供服も作りたい、という方もいらっしゃるかもしれません。
入園グッツや小物だけなら、コンパクトミシンでも形に出来ると思います。
ですが、子供服の場合は、多少大きくなってくるので、レギュラーサイズやフルサイズのミシンも視野に入れて探すのがおすすめです。
裾直しや洋服のリフォームをしたい
ミシンで、パンツやスカートの裾直し、シャツの丈直し、洋服のリフォームなどをやりたい場合は、縫うスペースが狭いので、やはり、コンパクトミシンでは、厳しいものがあります。
最低でも、レギュラーサイズ、出来れば、フルサイズのミシンから、選びたいところです。
また、デニムの裾上げについては、以下の厚物縫いの説明も参考にして下さい。
自分の洋服を作りたい
ミシンは、初心者だけれど、小物から始めて、ゆくゆくは、「自分の洋服を作りたい」「本格的に洋裁を始めたい」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
この場合は、フルサイズのミシン一択です。
実家に、ミシンがあったりして、多少経験があるなら、家庭用ミシンじゃなく、いっそ、職業用ミシンから始めてもいいですが、
初心者で、糸調整などに自信がないなら、自動糸調子機能付きのフルサイズミシンから始めるのがおすすめです。
自分に合うミシンを絞り込む
ミシンで作りたいものがはっきりしたら、今度は、具体的に、機種を絞り込んでいきましょう。
もう一度、人気ミシンの一覧表を見て下さい。
※画像はクリックすると大きくなります。
1万〜2万円くらいの価格帯が、格安の電動ミシンや、電子ミシン、そして、コンパクトミシンのゾーンになっています。
(コンピューターミシンは、1万円後半〜くらいから)
2万〜3万円くらいの価格帯が、レギュラーサイズミシン。
そして、フルサイズミシンは、4万円超えたあたりから登場します。
各機種の値段と機能は、表にまとめてあるので、より詳しくチェックしたい方は、こちらも参照して下さい。
初心者向けミシン 値段と機能の比較表
メーカー | 機種名 | 種類 | 値段 | 糸調子 | 模様 | ボタンホール | 重さ | 電力 | 縫い目の長さ | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ジャノメ | JN508DX | 電動ミシン | \13,000 | 手動 | 10種類 | 手動 | 5kg | 45W | ー | |
JUKI | HZL-40 | 電子ミシン | \14,000 | 手動 | 9種類 | 手動 | 5.9kg | 60w | ダイヤルで調節 | |
ブラザー | PS102 | コンピュータミシン | \18,000 | 標準 | 10種類 | 自動 1種類 | 4.5kg | 40w | ※1 | 下糸引き上げなし |
ブラザー | PS202 | コンピュータミシン | \20,000 | 標準 | 15種類 | 自動 4種類 | 4.5kg | 40w | 液晶で調節 | 下糸引き上げなし |
JUKI | HZL-K10 | コンピュータミシン | \23,000 | 標準 | 13種類 | 自動 2種類 | 7.2kg | 65W | つまみで調節 | |
ジャノメ | JP310 | コンピュータミシン | \26,000 | 自動 | 16種類 | 自動 3種類 | 5.5kg | 35W | 液晶で調節 | |
シンガー | SN24Sai | コンピュータミシン | \34,000 | 自動 | 196種類 | 自動 11種類 | 5.8kg | 70W | 液晶で調節 |
下糸引き上げなし |
ジャノメ | JP710N | コンピュータミシン | \40,000 | 自動 | 24種類 | 自動 6種類 | 8.3kg | 50W | 液晶で調節 | |
JUKI | HZL-G100B | コンピュータミシン | \41,000 | 標準 | 16種類 | 自動 4種類 | 9.0kg | 65W | 液晶で調節 | 裁ち目かがりが綺麗 |
シンガー | SC227 | コンピュータミシン | \54,000 | 自動 | 55種類 | 自動 9種類 | 7.7kg | 50W | 液晶で調節 |
下糸引き上げなし |
シンガー | SC327 | コンピュータミシン | \64,000 | 自動 | 260種類 | 自動 8種類 | 7.7kg | 50W | 液晶で調節 |
下糸引き上げなし |
比較表は、横にスクロールできます。
※1 ぬい目の長さが違う3種類の直線縫いあり
値段は、お店によっても違うので、通販で買える平均くらいの値段が入ってます。(2020年3月 現在)
初心者におすすめの自動糸調子機能は、2万円後半くらいの機種から付いてきます。
パワーの参考には、定格消費電力を載せておきました。
備考の「下糸引き上げなし」というのは、縫い始める際に、ボビンの下糸を、ミシン針で引き上げる作業が必要ない、ということです。
下糸を引き上げるのが苦手な方は、あると嬉しい機能です。
(この機能は、ブラザーでは、下糸クイック、シンガーでは、下糸らくスルーと呼ばれています。)
ミシンでの文字縫いについて
幼稚園グッズに名前を入れたりするなら、文字入れ機能もあると嬉しいですよね。
文字縫い機能のあるミシンは、安いと2万円台からありますが、安い機種だと、文字が小さくて、つぶれたりしやすいので、購入前に、サンプルを見たり、口コミをチェックしたりするのがおすすめです。
文字縫いミシンだと、予算オーバーしてしまうようなら、かわいいお名前ワッペン作ってくれるような刺繍業者もありますので、そちらへ外注する、という手もあります。
デニムなどの厚物縫いについて
基本的に、パワーのないコンパクトミシンは、厚物縫いは、なかなか厳しいものある、と考えておいた方が良さそうです。
ただし、「厚物を縫ったら、針が折れてしまった」というのは、実は、針が合ってなかった、という場合も、よくあります。
ミシンの説明書には…
ローンやジョーゼットなどの薄地の布だったら、針は、9番〜11番、コーデュロイやツイードなどの厚手の布だったら、針は、14番〜16番
などと書いてあるので、事前に、そこをよくチェックして下さい。
デニムの場合は、家庭用ミシン針として発売されてる16番のミシン針で、30番手のミシン糸(シャッペスパン)の組み合わせが多いようです。
デニムの裾上げで、ミシンを壊さないために
ジーンズの裾上げ、三つ折りの段差部分は、実は、一番、ミシンを壊してしまいやすい箇所です。
段差があると、そこで、糸調子が狂ったり、針が折れたりして、ついには、修理に出すはめになった…なんてことにもなりがちです。
そんな風にならないためにも、以下のことを覚えておくと、全然違うので、ここで、お伝えしておきます。
段差を叩いて、なるべく平らにしておく
デニムの裾の段差になってる部分を、縫う前に、木づちやゴムのハンマーで叩いて、なるべく平らにしておくやり方です。
職業用や工業用のミシンでも、事前に、段差をプレスしたり、叩いたりしているので、家庭用ミシンなら、なおさらやっておいて損はありません。
段差に何かをはさむ
こちらは、段差があったら、何かをはさんで、平らにしてしまおう…っていうやり方です。
例えば、海外では、下の動画のように、段差があったら、間にはさむ専用のパーツも出ています。
このパーツは、ハンプジャンパー(Hump Jumper)と言われています
日本では、販売されていないようなので、違う布を差し込んだり、厚紙を入れたり、何かで代用している場合が多いようです。
あとは、段差の部分だけ、
はずみ車を手で回して進む
という方法も有効です。
ただし、強引に回すなど、無理のし過ぎは禁物です。
家庭用ミシンで厚物を縫い続けた場合
ジグザグ縫いをはじめ、家庭用ミシンのバラエティ豊かな特殊ステッチは、針が左右に動くことによって、いろいろな縫い方を実現しています。
ただし、厚物など、貫通しにくい布地を縫うと、この機能がある分、逆に、針が左右にぶれやすくなっています。
針が左右に、微妙にずれつつ、無理して、厚い布地を縫い続けると、ミシン針が付いている針棒(軸)が、ずれやすくなってしまうことがあります。
コンパクトミシンで、針棒を支えているシャフトの部分がプラスチック製だったりすると、特に、この傾向は強くなります。
以上のような構造上の理由から、家庭用ミシンで、頻繁に厚物を縫うと、ミシンの寿命を縮めてしまうことがあるため、厚物を縫う頻度が高いようであれば、職業用ミシンなど、直線専用でミシンの購入の検討をおすすめします。
ミシンの音について
子どもがいるので、ミシンを夜しか使えない、
とか、
アパートやマンションで、隣近所にに迷惑をかけないか気になる、
…という方にとっては「ミシンの音が静かどうか」も、チェックしておきたいポイントですよね。
ミシンの音は、メーカーや機種によりさまざまですが、基本的には、コンパクトミシンよりも、フルサイズミシンの方が音が静かなようです。
また、はっきりと、静音設計とうたっているのは、上記の表の中では、シンガーの2機種です。(SC227、SC327)
これらは、ガタガタしない丈夫なフレームと、小型マグネットモーター搭載で、ほかの機種よりも、静かな音を実現しています。
ミシンの使い方も想定してさらに調べるなら
さて、予算とミシンの機能を見つつ、だいたい、どれぐらいの価格の機種を狙っていけばいいか、検討がつき始めたでしょうか。
だいたい検討がついたら、ミシン専用店や手芸店、家電量販店などの実店舗へ行って、実物を見てもいいですし、
近くのお店で、試し縫いなどをやらせてもらえるところがあれば、そちらへ出掛けていくのもいいと思います。
とは言え、近くにお店がなかったり、行ってる暇がない方もいらっしゃると思うので、ここでは、ネット通販でミシンを買う場合の突っ込んだ調べ方を紹介します。
ミシンの動画を見る
最近では、ミシンの動画が、You Tubeで、たくさん公開されています。
メーカーさんが、ミシンの使い方動画を公開しているものもあれば、一般の方が、ミシンのレビューをされているものもあります。
なので、あなたが、気になるミシンがあれば、機種名で検索してみると、動画が出て来る場合があります。
試し縫いは出来ないまでも、実際に、ミシンが動いてるところを見てみたい方は、チェックしてみて下さいね。
ミシンの口コミを見る
家庭用ミシンは、ネット通販サイトの「楽天市場」や「アマゾン」の販売ジャンルで言うと、生活家電です。
ですが、毎年のように、モデルチェンジして、新しい機種が出る…というタイプの家電ではありません。
1つのモデルが長い期間売られるので、人気機種になると、買った人の口コミが、ものすごくたくさん投稿されています。
例えば、この記事の一覧表の中にも入っている
ブラザー PS102 や、
ジャノメ JP710N などは
楽天市場では、どちらも、1万件を超える口コミが投稿されています。
買った人の感想は、読めば読むほど、そのミシンの使い勝手の情報が手に入るので、購入前に不安のある方は、よく読むのがおすすめです。
楽天市場はミシンの口コミを検索できる
特に、楽天市場なら、ミシンの口コミをキーワードで検索することも出来ます。
例えば…
- 厚物が縫えるか気になるなら「厚物」
- デニムが縫えるか気になるなら「デニム」
などのキーワードで検索をかければ、その言葉を含む口コミだけピックアップすることが出来ます。
ただし、キーワード検索は、パソコン版しか出来ないので、スマホの方は、PC版に切り替えて、口コミページに入っていく必要があります。
PC版への切り替えは、商品ページの一番下のところにあります。
少し字が小さくなってしまいますが、PC版に切り替えて、商品ページを下まで見ていくと、レビューが表示されている箇所があります。
その上のところに、「すべてのレビューを見る」があるので、そこをタップ。
すると、PC版のレビューページに入っていけます。
キーワード欄に検索したい言葉を入れて「絞り込む」ボタンをタップすれば、そのキーワードが入っているレビューだけピックアップできます。
購入候補のミシンの使い勝手を、深堀りして調べたい方は、活用してみて下さいね。
ミシンの説明書を見る
家電の説明書などは、よく読む方ですか。
それとも、苦手な方でしょうか。
もしも、よく読む方であれば、買おうと思っているミシンの説明書を、事前に見てみるのもいい方法です。
初心者だと、基本的には、説明書を見ながら、ミシンをかけることになるので…
- 説明がわかりやすいか
- やりたいことが出来そうかどうか
…を、買う前にチェックすることが出来ます。
以下に、各メーカーのミシンのマニュアルの配布場所をまとめておきました。
ジャノメのミシンのマニュアル
ジャノメは、ミシンの商品名(愛称)や、型式を入れると、取り扱い説明書が、PDFファイルでダウンローで出来るようになってます。
ブラザーのミシンのマニュアル
ブラザーのサポートページでは、一般用ミシンと刺繍用ミシンの商品名が、ABC順で並んでいます。
目的の商品名に該当するアルファベットを選んで進んでいくと、製品マニュアルがPDFでダウンロード出来るようになってます。
JUKIのミシンのマニュアル
JUKIの家庭用ミシンの公式ページは、ミシンが、ふところサイズ順にならんでいます。
※ミシンの「ふところサイズ」は、以下の部分の長さのことです。
マニュアルを見たいミシンをタップすれば、その機種の詳細ページになるので、そこで「取扱説明書」もダウンロードできます。
シンガーのミシンのマニュアル
シンガーのミシンも、以下のページで、マニュアルを配布していますが、PDFじゃなく、デジタルブックしかない機種もあります。
デジタルブックの場合は、FlashPlayerがインストールされていないと見ることは出来ません。
ミシンのおすすめメーカーは?
家庭用ミシンを製造している日本のメーカーで人気のトップ3は…
- JANOME(蛇の目ミシン工業株式会社)
- brother(ブラザー工業)
- JUKI(JUKI株式会社)
…の3社です。
ミシンメーカーの大手としては、これに、アメリカ生まれのミシン製造会社「シンガー」が加わり、日本のミシン市場のシェアを分け合っています。
「ジャノメとブラザーなら、どっちがいいですか?」
などと、聞かれたりしますが、上記の4つのメーカーは、どれも、古くからあるミシンメーカーなので、基本的には、どのメーカーを選んでも大丈夫です。
ですが、メーカーにより、それぞれ特徴があるので、以下にまとめておきました。
蛇の目ミシン工業株式会社
よく、ジャノメ、ジャノメと呼ばれますが、正式な会社名は「蛇の目ミシン工業株式会社」です。
創業は、1921年(大正10年)。
90年以上も続く老舗ミシンメーカーで、家庭用ミシンに強みがあります。
寸法精度が高い「ダイカスト」と呼ばれる鋳造技術で、パーツを製造しているので、部品の品質が良く、縫い目の綺麗さに定評があります。
ミシン本体もバランスがいい機種が多いので、長期間に渡って売れてるミシンのシリーズもあります。
ブラザー工業株式会社
ブラザーと言えば、プリンターの会社かな…と、思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その大元は、1908年に創業された「安井ミシン商会」です。
刺繍やボタンホールの綺麗さに定評があり、入門機から高級機まで揃っていて、刺繍ミシンのバリエーションも豊富。
10万以上の値段になるので、機能比較の一覧表には入れませんでしたが、初心者でも扱いやすい刺繍ミシンでは「Parie パリエ」が人気です。
初心者向けの家庭用ミシンでは、1万円後半〜2万円で買えるコンピューターミシン、
- PS100シリーズや
- PS200シリーズ
が人気で、
特に「PS202/PS203」は、消費者の立場で、製品を厳しくテストする雑誌「LDK」で、ベストバイも獲得しています。
公式サイトには、入園グッズや、入学グッズの作成に使えるおすすめミシンの特集ページもあります。
JUKI(ジューキ)
JUKIの創業は、1938年(昭和13年)。
日本の名だたる機械メーカーの代表者たちが集まり、東京重機製造工業組合としてスタートしました。
戦後は、家庭用ミシンを作っていましたが、1950年代から、工業用ミシンに参入し、今では、世界の工業用ミシンのトップシェアを誇るメーカーになっています。
工業用ミシンの技術を活かした職業用ミシンにも定評があり、楽天や価格コムの「職業用ミシン人気ランキング」では、JUKIが上位を占めています。
同じ価格帯なら、JUKIは、ほかのメーカーよりも、本体が重くて、パワフルな機種が多いので、本格的に洋服を作りたくて、将来的には、職業用ミシンの購入、も考えている方は、JUKIは、おすすめのメーカーです。
ただし、JUKIの家庭用ミシンは、4万円ぐらいの機種でも、自動糸調子が付いてなかったりする場合もあるので、糸調整に不安のある方は、その辺り、機種を選ぶ時に、ちょっと注意して見ておいた方がいいかもしれません。
シンガー SINGER
1851年、アメリカのニューヨークで設立されたミシン製品会社がシンガーです。
実に、160年以上も続いている歴史あるミシンブランドで、ロゴの入った古いシンガーの黒いミシンは、どこかで、見たことがある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
長く続いているので、世界中にファンがおり、母親や、おばあちゃんが、シンガーミシンだったから、自分もシンガーミシンにしてる…という人もいます。
ほかのメーカーに比べても、比較的安い価格帯から、文字縫いができる機種がありますが、2万〜3万くらいの価格帯のものは、少し文字が小さめです。
シンガーの文字縫いミシンでのおすすめは、静音設計な上、自動糸調子はもちろん、自動糸切りも付いてくるモナミヌウアルファ(SC327)。
この機種なら、アルファベットやひらがな、数字に加えて、入園、入学グッズに使える漢字も34文字入ります。